私は人事異動があるたびに、チェスを思いだす。
チェスのように、
どこに誰を配置すれば、
目標を達成できるのか。
経営目標のクリアーを目指す、
上司や幹部のチェスゲーム。
転勤の内示が突然やってくる。
最初、上司に呼ばれた時は
「何をしたのかな?」程度で
深く考えずに会議室へ。
最初は世間話から始まり、
突然本題に。
「4月から〇〇〇へ行って欲しい」
はぁ?異動ですか?
と、思いながら頭の中は真っ白。
私から発せられた言葉は
「はぁ⤵」の一言。
淡々と話は進み、
何も考えられないまま
『異動』の話は終了。
あれ?異動?
居住地が変更される異動は『転勤』というのか?
『人事異動』には、色々種類があるようです。
この記事では、『人事異動』『転勤』について解説しています。
人事異動と転勤は違う
人事異動とは 会社の組織変更などによる人員配置の変更
『異動』とは、職場の地位や勤務地などが変わること。物事に、前の状態と違った動きが起こることを言います。
『人事異動』とは、会社の命令により従業員が、地位や勤務状態、勤務地のなどを変更すること。
転勤とは 勤務地が変わること
『転勤』とは、勤務地が変わること。例えば、職場が名古屋から埼玉県に変わる。または、日本から海外に職場が変わる。このような、引っ越しを伴う異動を『転勤』と呼びます。
同じ職場のフロアーやグループ内の変更は、転勤ではなく『異動』を使います。
私は入社して25年のあいだに、国内・海外を含め、転勤は7回経験しています。就職活動の時、転勤や海外駐在の希望や意思はまったくありません。しかも転勤のイメージは、銀行員・自衛官・商社・建設業・ゼネコンとの認識があり、転勤はノーマークでした。
以下の記事では、私や同僚の転勤の経験を語っています。初めて転勤の内示を受けて悩まれている方、参考にしてみてください。
『人事異動』の種類「転勤」「異動」「出向」「赴任」
項目 | 内容 |
---|---|
部署異動 | 配属先の部署が変わること。 例:製造部からサービス部に変わる(馴染めるか不安) |
転勤 | 勤務する場所が変わること。 例:勤務地が名古屋支店から本社に変わる(栄転!) |
昇進 | 地位・役職が上がること。 例:係長から課長になる(給料も上がって嬉しい) |
降格 | 昇進と逆で、地位・役職が下がること。 例:部長から課長になる(給料が下がって悲しい) |
出向 | 従業員が自社である雇用先企業(出向元)に在籍したまま、別の企業、関連会社(出向先)などに異動して勤務すること。 給料や手当は、自社である雇用先企業の就業規則に準ずることが多い。 例:給料形態や手当は自社の雇用先企業(出向元) |
転籍 | 自社との雇用契約を解消し、新たな別の企業(関連会社など)と雇用契約を結び直し働くこと。 出向とは違い、雇用契約を解除するかという点。 例:給料形態や就業規則、全て新たな別の企業となる |
解雇 | 従業員の合意を得ることなく、企業による一方的な労働契約の解約をすること。 普通解雇(債務不履行)整理解雇(リストラ)懲戒解雇(制裁罰)の3種類がある。 |
免職 | 国家公務員法や地方公務員法に規定されている懲罰のことで、公務員の職を一方的に免じ(解き・剥奪し)身分を失わせる処分。 民間企業では「解雇」と表現されることが多い。 |
企業側からみた人事異動の目的と効果「メリット」
事業計画・事業の再構築・経営目標の達成
新しい事業の立ち上げや事業計画・目標達成には、人材の有効活用が欠かせません。
人事異動は、事業の目標を効率よく達成するための戦略の1つです。
適材適所の人員配置
人には適性能力というものがあります。『適性』とは、「ある事に適している性質や能力。またそのような素質や性格」をいいます。人と接することが得意で話上手、聞き上手な人は営業に、細かい作業、数字や計算が得意な人は経理へ。と、適材適所の人員配置が必要です。
私の場合、入社当時におこなった「適性検査」で、ずば抜けて手先が器用であると判断されました。希望していた部署とは違う部署に異動するよう、上司に説得されたのを覚えています。
組織の活性化
長年にわたって従業員が固定されると、新しいアイデアが生まれなくなり、マンネリ化し組織運営が停滞してしまいます。従業員の入れ替えを行うことで、これまでなかった発想や仕事に対するアプローチの仕方に変化が生まれ、組織の活性が期待されます。
人材の育成
多くの部署を経験させることで、幅広い視野を持ち、たくさんのスキルを学び、幹部候補としての成長を期待します。
マンネリ業務による意識低下の防止
同じ部署、同じ業務を繰り返すことで、「仕事のマンネリ化」により従業員の業務への意欲が失われる場合があります。定期的に新しい業務環境を提供することにより従業員のやる気やモチベーションを高めることで意識の低下を防ぎます。
不正の防止
お金が絡む部署や他社との関わりが強い部署で、同じ従業員が同じ業務をしていると、上司や外部からの干渉がすくなり、結果として不正のリスクが高くなる恐れがあります。不正をしない(抑止)、させない、回避、発見するために定期的な異動をする会社も少なくありません。
人事異動が従業員に与える悪い影響「デメリット」
まったく違う業務と人間関係にストレスを感じる
今まで行ってきた業務とまったく違う業務で、”0”からのスタートとなります。そんな中、人間関係を構築できていない上司や後輩に業務指導を仰ぐことでストレスを感じる。
新たに行う人間関係の構築には時間も労力もかかる。最悪、鬱になってしまうことも。
家族への影響が気になる
業務の悩みが、家族に不安を与えてしまうのではないかと悩む。
とくに、居住地の変更を伴う「転勤」になると、配偶者の仕事や、子供の転校のことを考え仕事が手につかない。
私の場合、家族ができたあとは単身赴任を選択しています。
従業員のモチベーションが下がる スペシャリストへの阻害
この業務のスペシャリストになろうと思って一生懸命やってきたことが、全て否定された感覚になりモチベーションが下がる。また、自分はこの部署には必要のない人間なんだと自己肯定感がなくなる。
離職に繋がる
人事異動や転勤による、離職は少なからずあるのが現状です。
単身赴任になり、家族と離れて過ごす寂しさ。新しい職場で、まったく相手にされず業務も与えてもらえないストレス。悩みを打ち明けられる相手もいない。仕事を辞めたい。と悩み落ち込む。
私も、前回の「転勤(単身赴任)」で新しい職場に馴染むことができず、「転勤」したのちに【転職】を考え行動したことがありました。
人事異動が多い人は将来有望!?
本社に異動は栄転。地方に異動は左遷。
一概に本社だから、地方だからという考え方は間違っています。
転勤者の年齢でも変わってきますし、転勤者の立場でも変わってきます。
例えば、若い20代や30代前半の従業員に対して、本社から地方に転勤になった場合、いろいろな経験を積ませ、外から見させることで会社全体を把握させる目的もあります。
また30代後半から転勤が多くなり、3年から4年のサイクルで転勤を繰り返す従業員は、幹部候補の可能性があります。会社の支えとなる重要なポジションに付くために、責任者として様々な部署で経験を積ませ全体の仕事を把握させる狙いもあります。
とは言え、その会社の考え方があるので一概に言えませんが、自分の成長のため、将来のためだと思って、転勤を前向きに捉えてみるのもいいかもしれません。
まとめ 人事異動「企業の目的」と「従業員に与える影響」
人事異動と言っても種類は「転勤」「異動」「出向」「赴任」といろいろあります。
企業側の目的と思惑、従業員に対する人事異動の影響は、必ずしも一致するものではありません。
企業と従業員のギャップはあります。と、いうことを人事異動を伝える立場の人にわかって頂きたいと思います。
以上です。